ゴルフクラブの中でも、スコアを左右する精密さが求められる「ウェッジ」。その最前線に登場したのが、クリーブランドの最新作「RTZウェッジ」です。注目点は、新開発素材「Z-ALLOY(ゼットアロイ)」の採用と、それに伴う重心設計の革新です。
今回の試打者は、飛距離のあるショットで知られる女子プロゴルファー・穴井詩選手。上記動画内では80ヤード前後の距離においてその性能を詳しく検証しました。この記事ではその様子をデータとともに分析し、「素材」「設計」「スピン量」「実戦性能」におけるRTZウェッジの実力を解説します。
Z-ALLOYとは何か?素材革新が生んだ重心設計の進化
クリーブランドが開発した新素材「Z-ALLOY」は、軟鉄(ソフトスチール)でもステンレスでもない新しい合金素材です。特徴は以下の通りです:
- 軟鉄に近い柔らかな打感を持ちながら、
- 比重が軽いため重量配分の自由度が高い
この素材特性により、クラブ設計者はフェースのセンター寄りに重心を配置することが可能になりました。従来のウェッジはネック寄りに重心が偏りやすく、芯を外すと打球が不安定になる傾向がありましたが、本モデルではそれが大きく改善されています。
穴井プロも実際の試打で
「柔らかいし、しっかりしている」
と評価しており、新素材ながら違和感なく使用できる点が確認されています。
フェース全体を使える「フルスコアライン設計」
RTZウェッジでは「フルスコアライン(全溝設計)」が採用されており、フェースの先端に近い部分でも均一なスピン性能が確保されています。さらに、ミーリング加工が細かく施されており、フェースとボールの摩擦が安定しやすく、スピンが低下しにくい設計です。
穴井プロも
「乗りすぎず、ちょうど良いスピンがかかる」
「止まり方が自然」
と述べており、グリーン上でのコントロール性能の高さが示されました。
フェース全体を使える「フルスコアライン設計」
RTZウェッジでは「フルスコアライン(全溝設計)」が採用されており、フェースの先端に近い部分でも均一なスピン性能が確保されています。さらに、ミーリング加工が細かく施されており、フェースとボールの摩擦が安定しやすく、スピンが低下しにくい設計です。
穴井プロも「乗りすぎず、ちょうど良いスピンがかかる」「止まり方が自然」と述べており、グリーン上でのコントロール性能の高さが示されました。
試打データから見る実際のスピン量と安定性
以下は、実際の試打計測データの一部です(単位は全てm/sまたはrpm、°)
ボールスピード | 打出角 | バックスピン | サイドスピン | 落下角度 |
---|---|---|---|---|
36.0 | 29.7 | 10,977 | 229 | 50.6 |
33.7 | 26.4 | 10,211 | 696 | 44.9 |
34.4 | 30.4 | 10,634 | 575 | 49.9 |
34.6 | 30.6 | 10,838 | 253 | 50.1 |
34.3 | 31.6 | 9,703 | 474 | 50.4 |
35.4 | 29.8 | 10,965 | 325 | 49.9 |
33.9 | 29.0 | 10,479 | 425 | 49.3 |
全てのショットでバックスピンが9,700回転以上を維持しており、特に平均値は約10,687rpmと、ツアーレベルの安定性を示しています。
穴井プロのコメント
「毎回スピン量が安定していた」
「縦距離のバラつきがなく、感覚通りの飛び方をした」
との言葉通り、打点ブレ・スピンブレが極めて小さいことが確認できます。
実戦投入の可能性とプロ評価の高さ
試打後、穴井プロは
「ツアーで使ってみたい」
と発言しており、実戦での使用も十分視野に入れている様子が見られました。
プロが評価したのは、単なる飛距離やスピン量ではなく、「打感・方向性・フェースの安定性」といった実戦で結果に直結する要素です。これはZ-ALLOYによる重心設計の成果であり、「フェースの開閉が少ない=方向性が安定する」という構造的な裏付けが存在します。
まとめ
クリーブランド「RTZウェッジ」は、新素材Z-ALLOYを採用することで、重心設計・打感・スピン性能のバランスを高次元で実現したウェッジです。
試打データからも、9,700〜10,900回転を安定して記録し、縦距離や方向性にも一貫性があることが確認されました。さらに、プロによる実戦レベルの高評価も得ており、アマチュアのみならず競技者にとっても有力な選択肢といえるでしょう。