【徹底比較】高級ボールと安いボールのパター転がり性能の違い

ゴルフのスコアを左右する「パッティング」において、使用するボールによって結果が変わるのか。この記事では、高級ボールと安価なボールのパッティング性能の違いについて、実験結果と構造的背景から詳細に検証します。初心者でも理解しやすいよう専門用語も丁寧に解説しながら、どのボールを選ぶべきかのヒントをお届けします。

高級ボールと安いボールの「転がり」に差はあるのか?

ゴルフボールは、一般に価格帯によって「ディスタンス系(飛距離重視)」と「スピン系(コントロール重視)」に分類されますが、果たしてそれがパターでの「転がり」にも影響するのでしょうか。

実験では、次の4種類のスリクソン製ボールを使用し、機械的に同じ条件で転がし比較しました。

実験の結果、明らかに高級ボールの方が「転がりが長く」「直進性が高い」ことが示されました。

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転がりの差が生まれる物理的要因

慣性モーメントと重量配分

ゴルフボールの重量は約46gで、内部にはゴム素材に加えて金属パウダーが含まれています。高級ボールではこの金属パウダーが外側に多く配されており、慣性モーメントが高くなっています。これにより、打ち出された後の回転が安定し、結果として転がりが伸びるのです。

※慣性モーメントとは、物体が回転運動を維持しようとする性質を表す値です。値が大きいほど、ブレが少なく安定します。

表面素材の違い(サーリン vs ウレタン)

ボール表面には主に以下2種類の素材が使われます。

  • サーリン(アイオノマー)系:プラスチック系で耐久性は高いが摩擦係数が低く、スピン性能は劣る
  • ウレタン系:摩擦係数が高く、スピン性能に優れるがコストが高い

高級ボールはウレタンカバーが多く、打感も柔らかくコントロール性能に優れています。

多層構造ボールの役割と利点

ボールには2ピースから5ピースまで構造の違いがあります。

  • 多層構造ボール(3ピース以上):ロングショットではスピンを抑え、ショートゲームではスピンをかけるという相反する性能を両立させる目的で開発
  • 成形技術による性能差:高級ボールでは、外側を硬く・内側を柔らかくする「火流成形」と呼ばれる技術で、弾道や回転を最適化

こうした構造の違いもまた、転がり性能に直結する要因です。

ロストボールや経年劣化ボールのリスク

ロストボール(池やラフなどから回収された中古ボール)や古いボールでは、塗装やカバーの摩耗により回転にブレが生じやすくなります。動画内でも「重心のズレ」や「転がり時の音の違い」が観察されており、プレーに与える影響が示唆されています。

パターでも「良いボール」を選ぶべき理由

「同じストロークをしても、ボールによってカップインするか否かが変わる」。動画内ではこのような実例がいくつも確認されました。高級ボールでは「最後のひと伸び」が明らかに異なり、カップまで届く確率が上がるのです。

これは、単なる飛距離だけでなく、「転がりの安定性」「打感」「直進性」といった複合的な性能の恩恵によるものです。

まとめ

今回の検証を通じて明らかになったのは、「高級ボールはパッティングにおいても明確な優位性を持つ」という事実です。飛距離や打感だけでなく、最も繊細なショットであるパターでもボール選びがスコアに直結するのです。

自身のプレースタイルや技術レベルに合ったボールを選び、18ホールを通じて同じボールを使い続けることが、安定したスコアに繋がると考えられます。