フェアウェイウッド(特にスプーン=3番ウッド)は、多くのゴルファーが「当たらない」「ミスが多い」と苦手意識を抱えがちなクラブです。ですが、正しいアドレスとスイングの意識を身につけることで、その印象は大きく変わります。本記事では、JLPGAティーチングプロである「森ちゃん」こと森瑞那プロが動画で紹介した、フェアウェイウッドを上達させるための4つのポイントを解説します。初心者にも分かりやすく、用語も補足しながら丁寧にお伝えします。
構えた時の握る強さ
フェアウェイウッドでミスが出やすい理由のひとつが「強すぎるグリップ」です。ミスを恐れるあまり、クラブをギュッと握ってしまうことで、リリース(インパクト前後で手首を自然に解放する動き)が早くなり、**ダフリ(手前の地面を打つミス)やトップ(ボールの上を打つミス)**の原因となります。
森ちゃんは、右手の親指と人差し指が離れてもクラブが落ちない程度の「ゆるい握り」を推奨しています。このグリップ強度は、クラブヘッドの走りを助け、力まずに正確なインパクトを実現します。
ボールの置く位置
スプーンのような長いクラブは、ついドライバーのようにボールを極端に左に置きたくなります。しかし、フェアウェイウッドは基本的に地面から打つクラブであるため、ドライバーのような高いティーアップと同じ位置に置いてしまうと、スイング軌道と合わずトップやスライスを引き起こしやすくなります。
森ちゃんは、ボールを「アイアンと同じか、やや左」に置くことを推奨しています。すなわち、「スタンスの中央からやや左寄り」が適切な位置であり、適正な打点を得るのに役立ちます。
スタンス幅は“2/3の意識”で調整
「遠くに飛ばしたい」と思うと、無意識にスタンス(足幅)が広くなりがちです。しかし、スタンスが広すぎると上半身に力が入りやすくなり、バランスが崩れてミート率(芯に当てる確率)が下がる要因になります。
森ちゃんは、アイアン時より「わずかに広い」程度のスタンス、すなわち「自分が思っているスタンス幅の2/3程度」を目安としています。これにより、適度な体重移動とスイング軌道の安定が得られ、方向性と飛距離の両立が図れます。
スイング中の動作における意識
フェアウェイウッドに対する苦手意識があると、「ボールに当てたい」という気持ちから、頭(特におでこ)がボールに近づいてしまう癖が出やすくなります。これが原因で、手元が詰まり、ヒール(クラブの内側)に当たってスライスするミスが頻発します。
森ちゃんは、「ボールに近づくのではなく、むしろ離れていくくらいの意識」で振ることを勧めています。実際の練習では、クラブヘッドカバーやグリップなどを前にぶら下げて、スイング時にそれに頭が触れないよう意識することで、正しい距離感が養えます。
まとめ:4つのポイントを継続して苦手意識を克服
- グリップは“軽く”握ることでミスが減る
- ボールの位置は“真ん中〜やや左”が基準
- スタンスは“思っている2/3”が最適
- スイング中は“頭を近づけず、離れる意識”を持つ
以上の4点を意識し、繰り返し練習することで、フェアウェイウッドのミスは確実に減らせます。即効性はなくとも、継続することが何より大切です。難しいクラブだからこそ、正しい理解と実践が結果を生み出します。