ゴルフにおいて「飛ばす」ことは、多くのプレーヤーにとって憧れのテーマです。しかし、ただ力任せにスイングしても飛距離は伸びず、むしろミスショットの原因となります。日本プロゴルフ選手権大会2025優勝・清水大成プロは、下半身の使い方と反力を活かしたスイング理論により、飛距離と正確性を両立しています。本記事では、彼の実践的な飛距離アップ法を論理的に解説します。
飛距離アップの鍵は「下半身主導」
上半身の力みを捨て、下半身を使う
飛ばしたい時ほど、力が入りやすいのは上半身です。しかし清水プロは、右股関節や右腰に体重を乗せることが最初のポイントだと述べています。下半身にテンションをかけることで、体全体を使ったしなやかなスイングが可能になります。
腹筋を軽く締めて、スイングリズムを一定に
力みを抑えるためには、腹筋を軽く締め、普段通りのテンポで振ることが重要です。リズムが崩れるとインパクトにズレが生じ、方向性と飛距離の両方が損なわれます。
地面反力を使った「加速の仕組み」
溜めた力を「反力」で一気に放出
体重を右に乗せた後、それを左へ切り返すことで地面反力(じめんはんりょく)※が発生します。これは地面を踏み込んだ反動で得られる力で、腰の回転と連動させてヘッドスピードを加速させるのがプロ選手の理論です。
※地面反力:下方向に力を加えた際、地面から跳ね返ってくる反作用の力。近年のプロスイング理論で注目されている。
安定したインパクトのための「コンパクトなトップ」
トップを小さくすることでブレを抑える
スイングアークを大きくしすぎると、インパクト時に体の軸がぶれやすくなります。清水選手は、スイングの頂点(トップ)を意図的にコンパクトに抑え、クラブコントロールを向上させています。
打つ前から勝負は始まっている「アドレスの工夫」
状況に応じてハンドファーストを意識
インパクト時の球のつかまりを良くするために、アドレス時に軽く手元を前に出す(ハンドファースト)構えを取ることで、フェース面が安定しやすくなります。
ヘッドの位置を浮かせてミート率を高める
クラブヘッドをわずかに浮かせた状態で構えることで、芯(スイートスポット)に当たりやすくなり、打ち出し角の安定化と飛距離の確保につながります。これは過度なアッパースイングを抑えるための有効な手段です。
まとめ:清水大成式「飛ばし」の本質は技術と意識の融合
清水大成プロの飛距離アップ法は、決して筋力に頼るものではなく、スイングの理論と下半身主導の動作、そして構えの工夫という論理的・再現性の高いテクニックで構成されています。
初心者にとっても理解しやすく、再現しやすい内容でありながら、プロの技術を日常の練習に取り入れることができる点で非常に価値の高い内容です。ぜひ、次のラウンドでこの理論を試してみてください。
清水大成プロ紹介
1999年1月17日生
福岡県出身
日本大学卒業
2020年プロデビュー
9歳でゴルフを始める。高校はゴルフ部のない東福岡高に入り、個人で活動していた。日大に進学後、2017年の「日本学生」で21年ぶりとなる1年生王者に。同年から「ブリヂストンオープン」で3年連続のベストアマに輝き、20年にプロ転向。24年には賞金ランク8位となり、平均パット数1位に輝いた。25年「日本プロ」では生源寺龍憲とのPOを制してメジャー初優勝。握りは時松隆光と同じベースボールグリップ。